自然科学科2年生の鎌田美萩さんが、NPOカタリバが主催する実践型探究学習のコンテスト「全国高校生マイプロジェクトアワード」の全国Summit(全国大会)に出場しました(3月25日~27日でオンライン開催)。
鎌田さんは、全国の各地区予選を勝ち抜いた48プロジェクトの中の一つとして、「守りたい!地域の祭 = コミュニティ」というテーマのもと、地元の萩市大屋地区で続く「伊達小荷駄(ダテコンダ)」といわれる祭りを題材とした探究について発表しました。
予選では、事前に主催者に送っていた発表動画のあと、「ショートピッチ」という本人からの補足説明を行い、サポーター(審査員)からの質疑応答を行います。
オンラインでの発表ということもあり、ショートピッチとサポーターからの質疑応答は、緊張せずに自然体で応答していました。
残念ながら本選出場とはなりませんでしたが、地元地域の祭りを題材に、地域コミュニティの維持に結びつけた探究活動はサポーターからも高い評価を受けていました。
出場した鎌田さんの感想です。
「この探究やマイプロを通して、自分の思いや考えの言語化を上手くできるようになったと感じます。「はぎたん」の大学生との対話やサポーターとのセッションを行う中で、自分の中に眠っていたものに気付くことが多々ありました。今までは心の中でくすぶっていたものに合った言葉を見つけることができない場面もありましたが、たくさんの人に伝えようと努めることで、自然に語彙も身に付いてきたように感じます。そして、マイプロ全国サミットでは、探究に対する熱い思いもったエネルギッシュな人たちと出会うことができました。全国にはみずからの「?」に目を輝かせている人がたくさんいて、その解決を通して成長し、人と人とのつながりが生まれていることを実感しました。この3日間は多くの刺激を受け、多様な価値観に触れることができました。今まで経験してきたことは必ずこの先の宝物になっていくように思います。支えてくださった皆さんに感謝し、これからも好奇心を忘れずに生活していきたいと思います。」
防長倶楽部誌とは、山口県出身で、首都圏でご活躍しておられる方々で構成され、伊藤博文公の墓前祭や吉田松陰など山口県が生んだ先賢の教えや偉業をたたえる事業や講演会等の開催を通して、山口の歴史を学び、更に日本の未来を築く活動をしておられる公益財団法人です。
その機関誌である防長倶楽部誌では、山口県在住の高校生が、自身が通う高校や高校での活動についての紹介文を執筆しています。
今春、萩高校を卒業した堀田菜摘さんが、3月号で萩高校と生徒の活躍する様子を紹介してくれました。
学校愛とふるさと愛に溢れる文です。是非、ご覧ください。
堀田さんをはじめ、今春卒業した生徒のみなさん。新しいステージでがんばるんだぞ!
なお、表紙の題字は、萩ゆかりの文人画家松林桂月氏の揮毫によるものです。
本校吹奏楽部の第31回定期演奏会を3月20日(日)、萩市民館で開催しました。
吹奏楽部は、吹奏楽コンクールやアンサンブルコンテストへの出場や地域行事等への参加などコロナ禍でも工夫をしながら積極的に活動を行っており、定期演奏会は1年間の活動の集大成となるものです。
また、定期演奏会には例年、萩東中学校、萩西中学校も友情出演しておりますが、今年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から出演が中止となりました。
第1部のクラシックステージでは、今年の吹奏楽コンクールで演奏する2曲と昨年県アンサンブルコンテストで銀賞を受賞したサックス3重奏とフルート3重奏の2チームの曲の披露と金管6重奏の演奏を行いました。
第2部のポップスステージでは、ルパンに変装した部員が演奏会の会場でお宝を探すという設定で、ドラゴンクエストやディープパープルメドレーなどのポップス曲の演奏や歌謡曲に合わせてダンスを披露するなど様々な演出を行ってのステージとなりました。
会場は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止の観点から、定員の半分という入場制限をかけていましたが、ほぼ満席の状態で、特に第2部では、会場の皆様も曲に合わせて手拍子をするなど、会場一体となって楽しめるステージとなりました。
今後も、本校の吹奏楽部の演奏で、地域に元気を発信できるよう更なる演奏技術の向上に励んでいきます。
御来場くださった皆様、大変にありがとうございました。
本校と山口高校の合同開催である萩往還を歩く会を、3月19日(土)に開催しました。
萩往還を歩く会は両校の130周年を機に開催し、毎年の恒例行事として行われてきましたが、ここ3年は天候不良や新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、中止が続いていました。
今年度も、開催が危ぶまれていましたが、両校の生徒会が感染防止対策など実施に向けての協議を重ね、3年ぶりの開催となり、本校から生徒・教職員43名、山口高校からは生徒・教職員152名が参加しました。
当日朝は、前日までの雨も収まり、出発時は時折晴れ間ものぞくような天候なりました。
スタート場所は、萩市の梅林公園です。山口高校はバス4台で集合し、出発式を行った後、8時30分に各班でゴールの山口県庁めざして、約30キロの道のりのスタートです。
前半の難所はダラダラと坂を上る一升谷、これを越えると昼食休憩である佐々並公民館に到着です。
これまでは、佐々並公民館で両校の交流会を行っていましたが、新型コロナウイルス感染防止のために実施を見合わせることになり、例年に比べ静かな昼食となりました。
後半は、山口市内に入り、前半の登りに比べ下りが多くなり、前半の疲れが足に出ることに加え、雨も時折ひどくなり、元気に歌を口ずさみながら颯爽と歩いていた参加者も無言になり、ひたすらゴールの山口県庁をめざしていました。
本校からは、校長自ら参加し、最後は気力でゴールの山口県庁にたどり着きました。
今年度も新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で様々な行事が中止や縮小される中で、萩往還を歩く会が開催できたことは両校生徒にとっても、貴重な思い出を作ることができたのではないでしょうか。
完歩された参加者の皆さん、お疲れさまでした!
本日(18日)、令和3年度萩高等学校終業式を行いました。
校長先生の式辞では、柔道や探究活動、北京オリンピックに関する話を元に「真剣勝負」という言葉について話をいただきました。また、11年前に起きた東日本大震災にまつわる手記の紹介もされ、一日一日を大切に、真剣勝負で頑張りましょうとエールをいただきました。
さて、今年度の学校生活はいかがでしたでしょうか。明日から春休みが始まりますが、ぜひ新たな一年、良いスタートが切れるよう、毎日を無駄にすることなく過ごしましょう。
また、終業式の前には、校納式と全国大会壮行式も行いました。みなさん、おめでとうございます。
校納式
〇探究学習成果発表大会 優秀賞
「アクティブ・ラーニングによるSDGsに対する子どもの興味の向上」
市瀬 大翔 くん 大槻 ひな さん 河村 優月 さん 黒瀨 愛悠香 さん 花木 さくら さん
「クラドニ図形を用いた和音チューニングの可能性」
有道 和徳 くん 池永 康成 くん 白石 雄一郎 くん 城山 創 くん 増野 蓮 くん
〇旺文社赤尾好夫記念賞(銀賞) 写真部門 高校生の部 長井 仁志 くん
〇栄光のメダル 山本 有貴葉 さん
※山口県教育委員会から中国大会で優勝した成績を称えられ贈られました。
全国大会壮行式
少林寺拳法 高屋 那帆 さん
3月13日(日)、山口県健康づくりセンターで開催された、第4回探究学習成果発表大会に本校探究科(人文社会科学科、自然科学科)2年生が参加しました。
この大会は、山口県の理数科・探究科設置校6校(岩国、徳山、山口、宇部、下関西、萩)及びJAXA宇宙教育連携校(萩商工)が参加するもので、1年間の各学校での探究学習の成果を発表する大会です。
口頭発表では、本校からは自然科学分野に、生物班「竹紙の静菌作用について」と数学班「クラドニ図形を用いた和音チューニングの可能性」の2チームが、人文社会科学分野に、「アクティブ・ラーニングによるSDGsに対する子どもの興味の向上」の1チームが発表を行いました(人文社会科学分野の本校の発表は英語で行いました)。
各チームとも、2月1日に行われた校内探究活動発表会後、山口大学の先生方から指導・助言をいただいたことなどを基に、更に研究を重ねるとともに、発表内容もレベルアップして本大会に臨みました。
発表では、全員が堂々と発表し、その後の質疑応答でも、生徒や山口大学の先生からの質問に対して的確に答えていました。
また、他校の発表も1年間探究活動を行ったこともあり、レベルの高い発表が多くありました。
さらに、本校の他の探究活動の発表についても別会場で、ポスター展示として参加しました。
審査の結果、自然科学分野の数学班「クラドニ図形を用いた和音チューニングの可能性」と人文社会科学分野の「アクティブ・ラーニングによるSDGsに対する子どもの興味の向上」の2チームが「優秀賞」を受賞しました。萩高校が昨年まで3連覇中の自然科学分野は、残念ながら4連覇とはなりませんでした。
1年間、それぞれのテーマについて、各グループで立てた仮説を検証するために、様々意見を出し合いながら試行錯誤を繰り返し、探究活動を行ったことこそが、これからの皆さんが大学での研究活動や社会に出ていくための大きな財産となったことは間違いありません。
大変お疲れ様でした!
文部科学省のアジア高校生架け橋プロジェクトで昨年11月から本校に留学していたベトナム出身のTran Bach Gia The(チャン バック ジャ テー)君が3月13日(日)に帰国しました。
帰国に当たり、3月10日(木)にお別れのセレモニーを行いました。
はじめに、テー君が所属していた1年2組の阿武楓君が、テー君と共に勉強や様々な行事で一緒に楽しめたこと、また、テー君の一生懸命な姿に刺激を受けたことなど、テー君との思い出と感謝の言葉を述べました。
テー君からは、「4か月という短い期間でしたが、萩高校の生徒の皆さんのおかげで、楽しく学校生活を送ることができ、本当にありがとうございました。」と目を潤ませながら最後の挨拶をしてくれました。
新型コロナウイルスの影響で、当初の留学期間より短い萩高校での学校生活でしたが、何事にも誠実に取り組むテー君の姿に本校の生徒も大きな刺激を受けました。
帰国後のテー君の益々の活躍を祈念するとともに、いつかまた必ず再会できることを期待しています!
自然科学科2年生の鎌田美萩さんが、NPOカタリバが主催する実践型探究学習のコンテスト「全国高校生マイプロジェクトアワード」の全国Summit(全国大会)への出場権を獲得し、出場報告のため、萩市長を訪問しました。
全国Summitについての概要報告の後、鎌田さんが全国大会で発表する内容についてのプレゼンテーションを行いました。
鎌田さんのプロジェクト名は「守りたい!地域の祭 = コミュニティ」というもので、鎌田さんの地元である萩市大屋地区で続く「伊達小荷駄(ダテコンダ)」といわれる祭りを題材とした探究でした。
発表を聞いた田中萩市長からは、「地域の衰退している祭りに焦点をあて、その復興には地域のコミュニティが重要という視点での探究は素晴らしい。また、山口県で初めての全国大会出場が萩市から出たことも大変誇りである。」との激励の言葉をいただきました。
全国高校生マイプロジェクトアワード全国Summitは3月25日(金)から27日(日)でオンライン開催の予定です。
オンラインではありますが、全国の舞台での萩高生の活躍に期待しましょう!
校内探究活動発表会の各班の探究活動の紹介シリーズ2回目の今回は、自然科学科分野で指月賞(第1位)を受賞し、県大会に出場する生物分野の「竹紙の静菌作用について」を紹介します。
近年、萩高校では課題研究において、竹紙製作の技や勘を数値化することにより、伝統工芸の継承を目指す研究や竹がもつ静菌作用の研究を行ってきました。今回の探究活動では先輩の先行研究を踏まえ、竹紙に静菌作用を持たせることによる竹紙の付加価値の向上を目指しました。
《実験の流れ》
Ⅰ 先行研究の確認実験
【研究】昨年のマダケに加え、モウソウチク(マダケとは別の竹の種類)を使用
<結果>黄色ブドウ球菌(食中毒の原因となる菌)に対して、竹の内側抽出液、外側抽出液ともに静菌作用あり
しかし、菌の培地の色が内側抽出液と外側抽出液で異なったため、それぞれ調べたところ、外側の培地には枯草菌(納豆菌の仲間)が存在していた。そのため、黄色ブドウ球菌の繁殖を抑制しているのは、枯草菌なのか、竹に含まれる静菌物質なのかを調査することにした
Ⅱ 黄色ブドウ球菌の繁殖を抑制しているものの調査
枯草菌が入った抽出液と黄色ブドウ球菌を混合し、枯草菌と黄色ブドウ球菌のどちらがより繁殖するのかを調査した
Ⅲ 市販の竹紙に抽出液を加えたときの静菌作用の調査
竹の内側抽出液を加えたときの静菌作用を調べた
Ⅳ 製作した竹紙の静菌作用の調査
無加工(生竹)の竹紙と、竹を柔らかくするため重曹につけた竹で製作した竹紙の静菌作用を調べた
<結果>
静菌作用をもった竹紙を作るために重曹につけても、静菌作用を持つことが分かった
《Ⅰ~Ⅳの実験や調査から分かった結果》
・竹に共存する枯草菌の繁殖スピードが速いため、黄色ブドウ球菌のコロニー数が減った
・黄色ブドウ球菌の繁殖を抑制するのは、竹の内側にある静菌物質によるものであることが判明
・抽出液を加えると市販竹紙は静菌作用を持った
・無加工でも重曹につけても、竹の内側を削って製作した竹紙は静菌作用をもつことが判明
《今後の展望》
・竹の内側繊維で製作した竹紙や、竹の内側抽出液を活用し、静菌作用を持つマスクやキッチンペーパー、公文書、壁紙などの製作を模索する
・若竹を使わずに竹紙を製作したところ、硬い竹紙になったことから、どの時期の竹でも静菌作用を持った竹紙をつくる方法を検討する
本探究は3月に行われる山口県探究学習成果発表大会に口頭発表で出場予定です。更なる磨きがかかった発表を聞けるのが楽しみです。頑張れ!!
最後に、山中泉水さんが感想と今後への意気込みを語ってくれました。
〇これまでの探究活動の感想
近年、先輩方が行われてきた竹の研究を引き継げたことを嬉しく思っています。悪臭と闘いながらの実験でしたが、その分新たな発見に出逢った時の仲間と味わう達成感はとても大きく、貴重な経験になりました。
〇次のステージ(山口県探究学習成果発表大会)に向けた意気込み
最後まで試行錯誤しながら実験を続けて、より精度の高い実験結果になるように努めたいと思います。そして、県大会では私たちの研究中のワクワク感が伝わるような発表をして竹の魅力を発信したいです。
昨年11月にスタートした萩探究部(はぎたん)第3期最終発表会が、3月6日(日)に、先日オープンしたばかりの萩明倫学舎4号館で行われ、本校から9名の生徒が参加しました。
生徒の探究活動に携わってくれた、慶応義塾大学すずかんゼミの大学生は東京からリモートで参加し、また、この度は、先月の推薦入試で、本校探究科に合格内定している中学生も参加してくれました。
はじめに、慶応義塾大学の鈴木寛先生から、150年前に萩の無名の青年たちが近代日本の基盤を築いたように、今の萩の若者も高い志をもって探究に取り組んでほしいとの言葉がありました。
続いて、9名の生徒が第3期で取り組んだ探究活動の内容を発表しました。
発表では、コウライタチバナの生育マップを考えた生徒は、実際にコウライタチバナかどうかを判別するためのオリジナルのフローチャートを作成していました。
中学校時代から絶滅危惧種のニッポンハナダカバチをテーマに探究を重ねてきた生徒は、大学教授からもらった論文を読み切り、ハチの知られざる実態について更に探究を重ねたいとの展望を述べていました。
文化財保全の観点から萩の街の白壁に興味をもった生徒は、市内の各地域の白壁の現状を把握する中で、今後、白壁の保全に向けて市の担当課と協議を進めていきたいとの発表がありました。
萩市の大屋地区で江戸時代から伝わる地域の祭り「伊達小荷駄」について探究した生徒は、衰退した伊達小荷駄という無形文化の保護のためには、古くからその地域に住む住民と新しく転居してきた住民の協働が重要であるという地域の活性化に向けた具体的な提案を発表しました。
2年生はこれまでの探究活動を更に深めるあるいは後輩に研究を引き継ぐ、1年生は新しい課題を見つけ、次の探究に生かしていくなど、全ての発表で今回の探究を基に、今後、更に一段とレベルアップ探究活動が展開されそうです。ここまでの探究活動の深まりがみられたのは、慶応義塾大学すずかんゼミの大学生の皆さんの関わりがあってこそだと思います。感謝!
また、参加した中学生も高校生の発表に対して、積極的に質問や感想を述べるなど、萩高校入学後の探究活動に意欲をもっている姿がうかがえました。
9名の発表の後は、大学生と高校生、中学生の交流タイムとなり、その中で、高校生の発表の感想や探究活動や高校生活についての意見交換を行いました。
今年度のはぎたんはこれで終了となりますが、来年度は1年生の継続メンバーに加え、萩高校に入学する生徒など新たなメンバーを加え、ますます多くのメンバーが「はぎたん」で充実した探究活動を行ってくれることを期待しています。
以下、発表した探究活動のテーマです。
三好あすかさん(1年)「アニメ好きを増やそう!」
伊藤千代さん(1年)「二次元をもっと身近に~バーチャルの世界~」
石東大和さん(2年)「夢の国に萩の町を」
山下青生さん(1年)「文化財保全パート1~白壁編~」
白石雄一郎さん(2年)「柑橘類ハント~コウライタチバナの生育マップ作り~」
山中泉水さん(2年)「ニッポンハナダカバチと私~4年間の軌跡~」
井町賀空さん(2年)「いま、伝えにゆきます。~めざせ!萩市の人口爆発!~」
藤井怜さん(1年)「萩焼を若い世代へ全国へ」
鎌田美萩さん(2年)「地域の祭り=コミュニティ」
※ 鎌田さんは、この度、「全国高校生マイプロジェクト全国Summit」に、全国6000を 超えるプロジェクトの中から選ばれた、48のプロジェクトの一つとして出場します!
本校2年生の鎌田美萩さんが、NPOカタリバが主催する全国高校生マイプロジェクトアワードの全国サミットへの出場権を獲得しました。鎌田さんは、島根県・広島県を除く中四国ブロックで約60プロジェクトが、全国では約1,500プロジェクト参加した中、選考を勝ち抜き、全国代表48プロジェクトのうちの1つとして選出されました。山口県として、全国サミットへの出場は初めての快挙です。
※マイプロジェクトとは、身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ実践型探究学習プログラムです。鎌田さんは、萩市が主催し、慶応義塾大学の学生ゼミ(すずかんゼミ)の大学生が萩市内の高校生の探究活動を伴走する「萩探究部(はぎたん)」の取組の中でこの探究活動を進めました。
鎌田さんのプロジェクト名は「守りたい!地域の祭 = コミュニティ」というもので、鎌田さんの地元である萩市大屋地区で続く「伊達小荷駄(ダテコンダ)」といわれる祭りを題材とした探究でした。
伊達小荷駄は、萩市にある金谷天満宮の奉納行事の一つで、60年前までは重ねた布団を馬に乗せ、子供たちと町内を練り歩く等、地区を上げて行っていましたが、現在は大屋公会堂に一昼夜布団を飾り置くだけとなるなど、だんだんと簡素化され、地域住民であってもその存在を知らない人がいるという状況になっているようです。
鎌田さんは、萩市が大好きで、萩で暮らしていることを誇りに思っており、伊達小荷駄の現状について、地域の衰退を見るようでとてもさみしく感じ、地域の伝統文化とコミュニティを守り、ずっと住み続けられる町であってほしいとの思いからこの探究を始めました。
この探究を通じて鎌田さんが気づいたのが、現在の伊達小荷駄は、地域の全世帯が輪番で飾りなどの運営に携わっており、このことは、長くその地域に住む住民と、最近引っ越してきた新・旧の住民がコミュニケーションを図る絶好の機会なのかもしれないということでした。現在の「伊達小荷駄」の役割は、神様をまつることだけではなく、地域の新・旧の住人達が協働するきっかけであり、「地域のコミュニティを守る存在」なのだと感じ、祭りはどんな形であっても続けていくことに価値があるのかもしれないと考えたそうです。
今回の探究をしてみての感想と、マイプロジェクト全国サミットへの意気込みを本人に聞きました。
「この探究を進める中で、『伊達小荷駄を大切に思う人』たちに出会うことができ、積極的に協力してくださったことがすごくうれしかったです。普段あまりお話しする機会のない年代の方々との交流は新鮮で、新たな視点や今までになかった価値観を知ることができ、多くの発見がありました。
また、探究活動を行うには文系・理系にかかわらない視点や、感覚に頼らない、根拠をしっかりとたてて行う調査が必要で、分野横断的な学びの大切さも感じました。
本番では、協力してくださった方々に感謝しながら、『伊達小荷駄』の魅力をより多くの人に伝え、故郷の祭りへの関心を持ってもらえるようにしたいと思います。」
全国高校生マイプロジェクトアワード全国サミットは3月25日(金)から27日(日)でオンライン開催予定です(※)。実践型探究に取り組んだ全国の同世代と切磋琢磨して、鎌田さんが何を感じ、考えるのか楽しみですね!ファイト!!
※「2022年3月27日(日)10:10〜16:30」の日程で、YouTubeでのオンライン観覧が可能です(要申込)。観覧申込は下記URLから可能ですので、ぜひご覧ください。
<https://sites.google.com/katariba.net/my-project-award2021-summit/>
「大人になったし、ふるさと萩市にちょこっとでも何か恩返しができればいいね、という交流ができれば素敵です。」(萩大志館FBから)そんな思いをもった方々(萩大志館)が運営する「萩っ子スイッチ」は、受験進学を控えた中学生や高校生の心のスイッチOnを目指す、新しい課外授業です。
萩高OBOGの方が運営し、また、登壇されています。
3月12日(土)11:00のライブ配信に登場するのは、岩川旗店の岩川大空さんです。
萩っ子おなじみの大漁旗デザインのトートバッグやクッション。これを作ったのは、東中学校、萩高を出て、Uターンをして実科に伝わる「染める技術」を全く新しい萩みやげにデザインしてしまったすごい先輩です。
どんなふうに萩で育ち、どんな道をたどってUターンしたのか、萩から描く夢は・・・中高生に語ってくださいます。
将来の進路を考えている1,2年生も、これから、一旦、萩を出て行く卒業生も、先輩の話を聞いてやる気スイッチをONにしましょう。
☆「100年家業に新風を吹き込む」岩川大空さん 岩川旗店 (明倫・萩東中・萩高出身)
☆司会・冨川竜生さん 萩大志館 (明倫・西中・萩高出身)
音楽を聴くように、気軽に視聴できます。ぜひ、登録してご覧ください。
( <https://www.hagitaishikan.jp/switch> )
また、これまでの授業も視聴できます。
○「メディアで働く」井関隆行(萩大志館代表) NHK→ベンチャー→西日本新聞社(御許町・東中・萩高校出身)
○「起業する」椋木章雄 株式会社JINRI(萩野菜ピクルス)代表取締役社長(西中・萩高校出身)
○「国と国をつなぐ」烏田朝美 カナダ大使館(光塩中・萩高校出身)
○「どんどんを、つくる」大島透 スナダフーヅ 専務取締役( 富山出身 大阪大学)
○「若手農家が集う萩をつくる」榎谷紘司 榎谷農園・萩マルシェ主催(椿西・萩東中・萩高出身)
萩を離れながらも、ふるさとに思いを寄せている先輩、今の萩を盛り上げようと活躍している萩高校の先輩の姿に触れることができます。
「高校を出るとき、萩を出るかどうかの「分かれ道」があります。それは、「別れ」ではなく、「こんなふうに萩と生きていけることがあるのか。・・・・」ということを子供たちに伝えられたらいいなぁと思います。」(萩大志館FBから)
もうすぐ、萩っ子を卒業する萩高生の皆さん!是非、のぞいてみてください。
3月1日卒業生が学び舎を巣立っていきました。卒業生の代表として、答辞を述べた岡村美也さんの言葉には、美しい萩の街とともに、様々な人への感謝で溢れていましたので、皆さんに紹介します。
寒さも和らぎ、私たちの旅立ちを祝福するかのように、制服の裾を揺らす風もすっかり春めいてきました。本日は、私たちのために盛大な式を挙行していただき、心よりお礼申し上げます。また、校長先生をはじめ、ご来賓の皆様、在校生の皆様からの心温まるお言葉に、卒業生一同感謝の思いでいっぱいです。三年間、歴史ある萩高校で学校生活を送ることが出来た喜びと、ここを巣立つ寂しさをひしと感じております。
真新しい制服に身を包み、緊張した面持ちで萩高校に足を踏み入れたあの日を、鮮明に思い出すことができます。それからの三年間には数々の出会いや経験、変化といった、紆余曲折がありました。
1年生の時には萩鷹祭や合唱コンクールなど、新たな仲間と共に協力して一つの行事に打ち込みました。本番に向けてクラス全員が一丸となって取り組んだ準備や練習の中で、お互いのことを深く知り、同じ目標へ心をあわせていくことの重要さや難しさを、身をもって学びました。
2年次からは、このままいつもと同じ日々が続くと思っていた私たちの前に突如として新型コロナウイルスという壁がたちはだかりました。先ほど挙げたような行事も縮小や中止と、かつて私たちが思い描いていたようなものとは別の形になっていきました。そして、行事に限らず、部活動でも多大な影響を受けました。時には、どうして私たちだけが、と考えることもありました。やり場のない怒りと悔しさをどこにぶつけていいのかわからず、涙を流すこともありました。人と人との距離が身体的にも精神的にも拡がっていく中で、孤独と感じることもありました。けれど下を向いていたって現状は変わらない。私たちが今できることを見つけ作っていくしかない。いつだって私たちは一人ではありませんでした。コロナ禍でも私たちに一章の思い出をと奮闘してくださる先生方も、お互いに抱えた悲しみや苦しみを共有し、一緒にいるだけでパワーを貰える友達もいました。萩高校という学び舎の中で同じ時を過ごした人たちのおかげで、私は、私たちは前を向いてかけがえのない高校生活を送ることができました。全校生徒の思いがこもったお揃いのTシャツを作り、今までになかった新形態の萩鷹祭や体育祭、クラスマッチを実施しました。私が二年間生徒会役員として活動してきた中で、ふとステージ上から視線をむけると、萩高校の誰もが弾けるような笑顔を浮かべていたのが酷く印象に残っています。そしてもう一つ、私たちのかけがえのない経験の中に、修学旅行があります。数々の制限のもとで過ごした三日間でしたが、その中で私たちは思い出だけでなく、多くの人に支えられているということを改めて実感しました。この学年でしかできない、貴重な経験でした。
日常だと思っていた時間を過ごせない状況にあったからこそ、気づけたものがあります。
私自身所属した文芸部にて、一昨年の春一つの詩をつくりました。
春、私たちの日常はいとも容易く瓦解した。
有り難いから有難う、当たり前じゃないから有難う
春、私たちの普通は消え去った。
当たり前 無くならない いつも通りを信じきった
春、私たちの教室は空っぽになった。
ここに来るまでたくさんの有難うがあった。
道を流れる子どもの足音 教室を踊る教師の声 咲き誇る友人の笑顔
有難う 有難う
さあ 私たちの春を取り戻せ
実際はまだまだ人と人との間に距離を取らねばならない寂しい春を迎えようとしています。瓦解した日常は戻らず、新たな形として変化を遂げつつあります。けれど、私たちが萩高生として、百五十年の歴史の一部として過ごした三年間は喪失ばかりではありませんでした。むしろこのような状況で私たちだからこそ得られた発想がたくさんあります。在校生の皆さんには、。私たちと共に作った新たな萩高校を常に進歩させ、後悔のないように過ごして欲しいと思います。その時は苦しくとも、ふと振り返れば輝いているような、唯一無二の学校生活を自らの手でつくり続けてください。
こうして私たちが数々の思い出を胸に笑顔で旅立ちを迎えられるのは、萩という場所だからこそ過ごせた時間と、多くの人々の支えがあったからです。私は隣町から通学していましたが、どれだけ朝早起きに苦痛を感じようと、不思議なことに一歩萩へ足を踏み入れれば、いつも元気が湧いてきました。海に沈みゆく燃えるような夕陽に何度胸を打たれたかわかりません。三年間という時間を通して、世界遺産の中に存在する萩高校と、眩しいくらいの白壁が立ち並び、夏みかんの香りがする萩が愛おしくなりました。そしてその萩高校で日々を送るにあたり、私たちの周りにはたくさんの応援がありました。毎日顔をあわせるたび、心が温まるような挨拶を帰してくださった地域の方々。いつだって私たち生徒のことを一番に考え、苦しいときは頼って良いのだと声をかけてくださった先生方。そしてときには素直になれない私たちをそばで我慢強く見守ってくれた家族。創立百五十周年という長く深い歴史と伝統を在校生として迎えたからこそ思うのは、誰か一人でも欠けていたら今私たちはここにはいないということです。月並みな言葉でしか表せないのが歯がゆいくらい、心から感謝をしています。その感謝を今度は私たちが返すべく、それぞれの夢や希望に大きく羽ばたき、歴史を作り続けていくことをお約束します。
名残は尽きませんが、お別れのときがまいりました。最後になりましたが、皆様のご健康とご多幸、そして山口県立萩高等学校のさらなる発展を祈念して、答辞といたします。
陸上競技部、柔道部、合唱部など、全国大会の常連や地区大会で優秀な成績を収める運動部だけでなく、萩高校の文化部も、それぞれの強みを生かして、地域を舞台に活躍しています。
この活躍の様子を、県内の全ての高校生の保護者に配布される山口県高等学校PTA連合会の会報で、2ページにわたって、紹介していただきました。掲載された活動は次のとおりです。
科学部:わくわくミクロワールド、新聞部:子どもが学ぶ松陰先生、合唱部:萩マルシェ公演、英語研究部:保育園での人形劇、美術部:市立図書館での作品展示、JRC部:幼稚園での防災教育、スポGOMI甲子園、吹奏楽部:総合支援学校での演奏、茶道部:着物ウイークでのお手前
このほか、各文化部が交替で参加する「萩高生と学ぼう楽習会@萩西中」や、2年生が探究科が行った「中高生熟議in萩東中学校」も紹介していただきました。
2月1日に「萩焼の宿 千春楽」別館味楽亭のホールで実施した校内探究活動発表会の各班の探究活動をシリーズで紹介していきます。初回の今回は、自然科学科分野で堀内賞(第2位)を受賞し、県大会に出場する数学分野の「クラドニ図形の可能性」の探究活動を紹介します。
クラドニ図形とは、板を音で振動させた際に板の上にできる定常波を可視化したものです。そこで吹奏楽部の生徒の発案で、耳で感覚的に合わせるしかない和音の調律を、正確かつ視覚的に可能にするチューナーを制作することを目的に本探究は始まりました。
実験の流れは以下の通りです。
【実験Ⅰ】実験装置の検討
①板の決定:アルミ、ステンレス、銅の3つの材質からアルミが装置として適していると分かった。
②ストローの関係:装置と板の間に挟むストローの置き方、本数を調べ、3cmのストローを4本、四方に置く形が適していると分かった。
③板の角度:スピーカーに対する板の角度(0°、45°)を調べ、0°が適していると分かった。
④音量の関係:スピーカーの音量によって図形に起こる変化を調べたが、大きな違いは見られなかったため、音量による変化はないと分かった。
【実験Ⅱ】板が振動する音の箇所の調査
全ての楽器で対応できるかを確かめるため、「トランペットとピアノで板が振動する箇所は変わらない」という仮説を立て、実験を行った。
トランペットの最低音(ミ)から最高音(シ♭)の範囲で板が振動する音の箇所を調べ、ピアノを鳴らした時の振動する音の箇所と比較したところ、振動する箇所は変わらなかったため、実験Ⅱにおける仮説が正しいことが分かった。
【実験Ⅲ】「和音でクラドニ図形はできるのか」の検証
板が振動しない2つの単音を同時に鳴らした際に生じる倍音(※)でできる図形と、その倍音と同じ音を単音で鳴らした時の図形を比較したところ、異なる図形が現れ、人間の耳では識別しにくい音がクラドニ図形を用いることで判別することができることが分かった。
※倍音:複数の音を合成したときに現れる音
探究の結果、どの楽器でもいたが振動する箇所が同じであることが分かるなど、クラドニ図形が和音のチューナーとして活用できる可能性があることが分かりました。そのため、今後の展望として、和音の中でも不協和音のクラドニ図形と比較し、図形の法則や特徴を発見することできれいな和音に対応するチューナーができるのではないかと考えているとのことでした。
本探究は3月に行われる山口県探究学習成果発表大会に口頭発表で出場予定です。更なる磨きがかかった発表を聞けるのが楽しみです。頑張れ!!
最後に、本探究グループの増野蓮さんから感想と今後への意気込みを語ってくれました。
〇これまでの探究活動の感想
探究活動を通して、研究におけるテーマ決定の重要性を学ぶことができました。私たちのグループはテーマ決定に多くの時間をかけたため、実験などを短期間で行うことになったが、テーマを吟味したからこそ、面白い研究にすることができたと思います。
〇次のステージ(山口県探究学習成果発表大会)に向けた意気込み
校内発表では、私たちの研究の面白さを伝えることができなかったため、県大会ではより分かりやすいプレゼンテーションにしたいと思います。しっかり結果が残せるよう、最後まで全力を尽くしたいと思います。
今年度の卒業証書授与式を3月1日(火)に挙行しました。前日の晴天とはうって変わって、あいにくの雨模様でしたが、御来賓の皆様、在校生全員、保護者で132名の卒業生の晴れの門出を祝いました。
卒業証書授与ではクラス担任が全員の呼名を行った後、代表生徒(普通科:大神駿人君、人文社会科学科:上田桜香さん、自然科学科:石川夏帆さん)に卒業証書の授与を行いました。
校長式辞では、在学期間中の大半がコロナ禍であった卒業生に対し、時折声を詰まらせながら、皆がそれぞれの立場で萩高校や地域を盛り上げ、自身の進路実現にも取り組んできたことに感謝と称賛を述べ、これから社会に巣立っていくにあたり、「自身にとって守るべきものと大切にすべきものは何かを常に問い続けてほしい」と、はなむけの言葉を送りました。
その後、山口県教育委員会委員の小嵜由紀様から御挨拶を、県議会議員の岡生子様から県議会議長の御祝辞を、また、PTA会長の玉村信一様から御祝辞をいただきました。
在校生送辞では、生徒会長の河名淳哲君が、「卒業生が築き上げてきた萩高校の伝統の中で、昨年制定された「萩高宣言」を引き継ぐものとしてかけがえのない仲間と文武両道に励み、「萩になくてはならない」人間となれるよう努力することをお誓いします」と述べました。
卒業生答辞では、岡村美也さんが、コロナ禍で自身が詠んだ詩を通して、「日常だと思っていた時間を過ごせなかったからこそ気づけたことがある」と述べ、最後に、これまで支えてくれた周囲の皆様に感謝の言葉に加え、「その感謝を今度は私たちが返すべく、それぞれの夢や希望に大きく羽ばたき、歴史を作り続けていいきたい」と決意を述べました。
式後、保護者の方々に見守られる中、各クラスで最後のホームルームを行いました。1人1人への卒業証書授与や担任の教員から生徒へのメッセージ、生徒から教員・同級生へのメッセージ、動画など、それぞれのクラスで各々の色が出た感動的なホームルームでした。
また、ホームルーム後には、部活ごとに集まり、卒業生・在校生・保護者でのお別れ会が行われました。後輩への応援メッセージを伝える卒業生、後輩のすごいところを伝える卒業生、後輩が悔しい思いをしないために自分の後悔を語る卒業生など、様々な姿が見受けられました。
卒業後、皆さんの未来は、これまで以上に皆さん自身の手に委ねられます。上手くいくことも、上手くいかないこともあるのが人生ですが、いずれにしても自分で決めた一歩を踏み出し続ければ、それが皆さんにしか歩めない人生です。皆さんの自分なりの一歩をこれからも応援しています。
3年生の皆さん、あらためて御卒業おめでとうございます!
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